みなさんもよくご存知の「半身浴」ですが、全身が温まるまで時間がかかり、敬遠しがちになる季節はありませんか?
ハンディングシャワーを使えば、肩にかけた専用タオルにお風呂のお湯がおくられるため、入った時から肩まで温かく快適に半身浴が楽しめます。
また普段使わない手を握るという運動は、脳を活性化しボケ防止や
握力維持・向上にも効果的です。
ハンディングシャワーは実は10年以上前に発案されていました。
心臓が悪く、半身浴を日課にしていた当時70歳の発明者は、冬場の入浴時には湯船につけたタオルを肩にかけて入っていました。
しかし、肩にかけたタオルはすぐに冷めてしまいます。
高齢者の発明者は体が温まるまでの長い時間、どうにかして温かいタオルのままで肩にかけられないものかと考えました。
近くに住む孫に相談し、肩がいつまでも温かいままでいられる発明をふたりでしようと考えました。
100円ショップで水風船をふくらますポンプを、熱帯魚のお店で水槽用のポンプを購入。
それを組みあわせてできたものが、今のハンディングシャワーの試作品です。
ハンディングシャワーで快適な半身浴生活を手に入れた発明者。寒くなってくると手放せない日々が続きました。
数年ハンディングシャワーを使い続け、新たな効果があることに気づきました。
それが肩凝りの改善です。
発明者は、肩凝りに悩まされていました。
家電量販店で今は数多く販売されている肩凝りマッサージ機を手放せない日々が続いていました。
それがいつのまにかマッサージ機を使わなくても肩凝りに悩まされなくなりました。
それは半身浴を続けることができた効果と共に、ポンプを握るという普段やらない手を握るという運動がよかったのではないかと発明者は考えています。
近くにマッサージ機をおいていない発明者に気づいたのは友人たちでした。
「あれ?肩凝りはよくなったの?」
「そうなんだよ。今はマッサージ機も押入れだよ。」
「へー。どうやったんだい?」
そんな会話から、ハンディングシャワーを友人たちに教えると、自分だけだと思っていた入浴時の寒さは意外と多くの人が思っていたことだと発明者は知りました。
仕事も引退し、、昼間とくにすることもない発明者は、善意から同じものを作り友人たちにあげることにしました。
友人たちの反応は上々でした。
発明者は、他の友人や、知人にも作ってくばるようになりました。
「半身浴が高齢者によいと言われても、寒くてね~。あれがあると助かるよ。」
「あれ、いいねー。肩の調子もいいよ!」
そういった言葉が発明者はなにより嬉しかったのです。
「これは売れるよ~。世の中には同じように悩んでいる人も多いからね~。」
そう言ってくれた友人の言葉から発明者はハンディングシャワーの製品化を考え始めました。
製品化するには、一番よい状態のハンディングシャワーを製造しなくてはいけない。
そう考えた発明者は、ポンプの堅さ・大きさ、ホースの長さ、タオルの長さややわらかさ等など、あらゆる角度から研究しました。
相棒である孫とはいつも討論になりました。
タオルの数センチの長さの違い、ポンプの色、ホースに空ける穴の数・・・二人が納得いくまで話し合い、試作品を繰り返し、ようやく思い描いた製品に近づいてきました。
やるからには徹底的にと、特許の申請も平成18年にしました。
納得のいくハンディングシャワーが出来て、いよいよ製品化です。
まずは、ハンディングシャワーの設計図を描いてもらいました。
次の段階で、それぞれの部品を作ってくれる会社を探しました。
ここでも発明者は最高の製品を目指し、すべての会社と何度も打合せをしました。
平成20年にようやく、製品化に向けそれぞれの部品が完成し、あとは皆様に手にとっていただけるようなパッケージをデザインしてもらうだけでした。
残念ながら、発明者は製品化を待たずに他界してしまいましたが、こうして平成21年に製品化され、世に広まることになったハンディングシャワーを天国から見守っていることでしょう。